はじめの一歩を踏み出す力

日本中どこででも受けれる医療サポートを可能に

地域医療支援病院を選ぶメリット

一口に看護師と言っても、働く環境によってその役割は大きく異なります。看護師の職場として代表的なものは、病院、クリニックなどが挙げられます。その病院の中でも少し特徴的な場所が地域医療支援病院です。

地域医療支援病院とは、決められた地域に住まう人々が、身近な大きな病院として医療を受けることができる病院ことです。主に1番最初に患者と接する機会のある、地域のかかりつけ医をサポートする役割を持っています。

そんな地域医療の中核を担う、地域医療支援病院で働くメリットは以下の3つです。
1つ目は、雇用条件や福利厚生などがしっかりと整っているという点です。地域医療支援病院の最大の特徴は、所在地である各都道府県の承認を受けているという点です。この承認を受けるためにはいくつかの要件を満たしている必要があるため、きちんと様々な体制が整っているといってよいでしょう。

2つ目は、研修や教育体制が充実しているという点です。地域医療支援病院では、都道府県の承認を受けるために、定期的に地域の医療従事者を教育する研修会などを開くことが求められています。そのため、その主催である病院に勤めることで、日常的に様々なスキルを身につけることができるのです。

そして3つ目は、設備や診療科が充実しているという点です。地域医療支援病院に認証される病院は、どこも設備が充実しており、多くの診療科を有する大病院です。そのため、様々な科を経験して、自身の看護スキルを高めたいという方には大きなメリットとなるでしょう。

地域医療構想の想定と実際のズレとは

国の推進する地域医療構想とは2018年の経済財政諮問会議の中で出てきた「新経済・財政再生計画改革工程表」の中の1案です。この原案では、人生の終末期における医療やケアについてなど、多くの医療関係の案が盛り込まれていました。
地域医療構想もその1つであり、「地域単位で病院の役割を分担し、余剰している病床数を調節することで、医療数を削減する」というものです。

緊急での治療が必要な患者、治療が終わって自宅復帰に向けた入院・リハビリが必要な患者、意識が戻らない患者とでは必要な医療機能が異なります。これを「役割」として、地域の病院ごとに明確化・分担化を計ることで、1つ辺りの病院に余っている「役割以外の病床」を削減できる、という考え方です。

国がこれを推進する理由の1つには、「病床が削減されることで医療費が削減される」という目論見もあります。

元々この「2025年に向けた病床数削減案」自体は2015年にも地域構想医療の目標でしたが、この病床削減は医療関係者や自治体内では猛反発を受けていました。確かに、比較的病状が軽い患者が「余っている」という理由で重病患者用の病床を使えている現状は効率の悪く、医療費が増大していく要因でもあります。しかし、効率化を進めることで病床を減らすという試算は「地域介護・自宅介護へ、本来医療が必要な患者を丸投げしている」という批判も受けています。

病床削減は現在も少しずつ進められていますが、病床削減が必要な地域、そうでない地域にも「一律削減」が求められている現状が問題視されているのです。

◆関連リンク◆>>>地域医療での働き方[http://chiiki-iryo-shienbyoin.com